外壁塗装で使用されている塗料の種類はさまざまです。
それぞれの塗料の種類により費用や特徴が異なるため、外壁塗装は使用する塗料により耐用年数や費用が異なります。
外壁塗装でよく使われる塗料を費用順に9種解説していきます。
外壁塗装で使用される塗料9選
外壁塗装でよく使われる塗料の種類は費用順に以下の9種類です。
1.アクリル
アクリル塗料は費用が安い塗料として知られており、費用は1,200円~1,800円/㎡です。
アクリル塗料は発色が良いため、カラーバリエーションが豊富であり、塗料としての歴史が長く、各メーカーからさまざまな製品が販売されています。
しかし、アクリル塗料は他の塗料よりも耐用年数が5年~7年程度と短く頻繁な塗り替えが必要です。
塗料自体の費用は安いものの、塗り直しの期間を考えるとコストパフォーマンスが良いとはいえません。
2.ウレタン
ウレタン塗料は、ウレタン系樹脂を主成分とした塗料で、樹脂の中でも柔軟性があり、密着度が高いです。
ウレタン塗料の費用は1,500円~2,000円/㎡であり、耐用年数は8年~10年程度となっています。
柔らかくて弾力性があり、伸縮性に優れているため、塗装した建物に外力がかかっても、ひび割れしにくい塗膜です。
ウレタン塗料は密着性が高くひび割れが起きにくいため、傷に強く素地が傷みにくい傾向があります。
そのため、次の塗り替えの際の下地処理に手間がかからないので、メンテナンス性が良い塗料です。
ただし、ウレタン塗料は紫外線に弱く変色しやすく、汚れが付着しやすい性質があるため、汚れにくくするためには、低汚染性のウレタン塗料を選択する必要があります。
3.シリコン
シリコン塗料は、樹脂の主成分にシリコンが使用されている塗料であり、外壁塗装に使用される塗料としてはスタンダードな塗料です。
シリコン塗料の費用は2,200円~3,000円/㎡であり、耐用年数は約10年~15年程度です。
また、シリコン塗料は光沢・ツヤが出やすく、汚れががつきにくいため長期間美しさを保つことができます。
耐熱性・耐水性・耐候性に優れた塗料であるため、迷ったらシリコン塗料を選べば失敗が少ないと言われています。
4.ラジカル塗料
ラジカル塗料はラジカル(劣化因子)の発生を抑える効果があり、長期間に渡って塗膜の劣化を防ぐ塗料です。
この塗料の元となっているのは、アクリル塗料やシリコン塗料など従来の塗料で、特殊な成分を配合することでラジカル塗料となります。
ラジカル塗料の費用は2,500~3,000円程度/㎡であり、耐用年数は13年~16年と通常のアクリル塗料やシリコン塗料よりも長いです。
ラジカル塗料は紫外線や雨風に当たっても耐久性が高いため、ひび割れや水漏れが発生しにくいです。
また、光沢があるため、汚れがつきにくくなっています。
さまざまなメリットがあるラジカル塗料は発売されてから数年しか経っていないため、知名度が低く、取り扱う業者はそれほど多くありません。
そのため、ラジカル塗料を使って欲しくても断られる可能性があります。
5.遮熱塗料
遮熱塗料は文字通り遮熱効果の高い塗料であり、塗布面の表面温度上昇を防げる塗料です。
費用に関しては、2,300~2,800円/㎡程度で、耐用年数は10年~20年程度です。
通常の塗料であれば、熱がそのまま屋内に入ります。
しかし、遮熱塗装は太陽光を反射することで、室内の温度を下げ、夏には涼しい住環境を作ることが可能です。
また、外壁が熱の作用で劣化すると耐用年数が短くなることがあります。
遮熱塗装を行うことで、表面温度の上昇が抑えれられ、熱による劣化が起こりにくくなります。
しかし、遮熱塗装は、塗膜自体の耐久性が高いわけではないので、注意が必要です。
また、遮熱塗料の遮熱性能は経年劣化によって落ちていくため、その点は把握しておきましょう。
6.断熱塗料
断熱塗料は塗る断熱材とも呼ばれる塗料であり、塗装することにより一年中快適な空間が作れます。
費用は約2,400~3,800円程度であり、耐用年数に関しては、15年~20年程度です。
断熱塗料は太陽光の熱伝導を抑えて室内の温度上昇を抑制、建物内部の熱を逃がしにくいため、夏は涼しく、冬は暖かさを維持しやすくなるため、冷暖房が効きやすくなります。
そのため、冷暖房の使用を少なくできるため、節電にもつながります。
断熱塗料の施工に関しては、職人の技術が高くないと、仕上がりが悪くなり、剥がれなどの不具合が起きる可能性があるため、過去に施工実績のある業者を選択しましょう。
7.フッ素
フッ素塗料は耐久性・耐候性の高さが特徴の塗料です。
費用に関しては、3,800円~4,800円程度/㎡であり、耐用年数は15年~20年となっています。
耐久性が高いため、長期間風雨に晒されても家を守ることができ、耐候性が高いので外壁を紫外線のダメージから守ることができます。
また、親水性が高いので雨で自然に汚れが落ち、防藻性や防カビ性が高いため、湿気がこもりやすい壁でも藻やカビの発生を抑えられるので、建物の景観の長期間保つことが可能です。
デメリットしては、高価な塗料となるため、初期費用がアクリル、ウレタン塗料などと比べて高額になります。
フッ素塗料は、塗膜の親水性によりメリットを発揮するので、塗装すると光沢のある仕上がりとなるので、ツヤがない仕上がりを希望する方には向いていません。
また、フッ素塗料は塗膜が硬いので、外壁のひび割れが発生すると塗膜が割れる可能性があります。
デメリットはあるもののそれ以上のメリットがあるので、外壁塗装の中でもトップクラスの品質を誇る塗料として用い垂れています。
8.光触塗料
光触媒塗料は、2007年に開発された耐用年数が長い塗料です。
費用は5,000円程度/㎡であり、耐用年数は約20年程度となっています。
光触媒に期待されているのは防汚効果であり、「雨によって汚れを落とす」という効果が期待できる塗料です。
光触媒が塗装されることで、塗料に含まれている酸化チタンが太陽光にあたると活性酸素を作り、汚れを分解し、雨が降ると分解した汚れが流されます。
そのため、防汚性に関しては、防汚性が高いと言われているフッ素塗装よりも優れています。
防汚性能が高いだけではなく、ハイドロテクノという技術で二酸化炭素などの窒素酸化物を除去するなど環境にも配慮された塗料です。
光触媒塗装は紫外線と雨が十分に当たる環境でないと、防汚性能を発揮できないため、使用する際には、建物の立地を考慮する必要があります。
また、光触媒は、外壁に付着した木くずや紙くずなどの有期物は分解できるものの泥、サビといった無機質な汚れは分解できないため、注意が必要です。
9.無機塗料
無機塗料は鉱物やレンガといった炭素を含まない無機物が配合されて作られている塗料で、セラミックやケイ素などの無機物が主成分です。
費用は4,500~5,500円/㎡程度で、耐用年数は20年~25年程度です。
無機塗料はすべて無機物で作られているわけではなく、有機物を混ぜて作られています。
無機塗料は無機物が主成分であるため、耐候性が高く、雨や紫外線の影響を受けにくいため外壁表面の長期間の保護が可能です。
また、無機塗料は汚れにくく、燃えにくいという特徴があります。
無機塗料は無機物が主成分であるため、硬い塗膜となり、外壁表面にひび割れなどが起こると塗膜も微々割れを起こしやすいです。
そのため、ひび割れしやすい外壁には向いていません。
また、塗装では、塗装前の処理から塗装終了までの工程が多くあり、その工程ごとに適切に作業を行う必要があるので、腕の良い職人が塗装作業を行う必要があります。
まとめ
外壁塗装は種類ごとに費用や特徴、耐用年数が異なります。
そのため、費用・耐用年数・機能性について考えながら使用する塗料を選択することが重要です。
それぞれにメリットもあれば、デメリットもあるため、そうした点を把握しながら自分に適した塗料を選択しましょう。
また、塗料によっては、職人に技量が求められるため、そうした塗料を使用する際は、過去に施工実績がある業者に依頼することをおすすめします。