太陽光発電と蓄電池はセットのイメージがありますが、最近はマンションにも設置できる蓄電池があります。
そのため、マンションで暮らしている方の中にも蓄電池を検討されている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
自然災害や地震があったときに電気が無いと困りますし、日常でも深夜電力と蓄電池で節電にもなります。
今回は、マンション用蓄電池の特徴や機種、工事や費用などについてまとめました。
マンション用の蓄電池はどんな特徴がある?ベランダや共用部に置くの?
マンションの蓄電池とは、どのような特徴があるのでしょうか?
家庭用の蓄電池と同じ大きさであれば当然、ベランダには置けませんしエアコンの室外機のようなイメージの方が多いのではないでしょうか。
こちらでは、マンション蓄電池の特徴やベランダ・共用部に置けるのかどうかなどを紹介します。
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マンションの蓄電池と家庭用蓄電池の違い
マンションの蓄電池を検討されている方の中には、戸建て住宅の家庭用蓄電池とどのように違うのか?と疑問に思っている方が多いでしょう。

こちらの疑問に答えていきますね。
マンション蓄電池と戸建て家庭用蓄電池では、次のような点に違いがあります。
- サイズ
- 容量
- 価格
- 設置場所(接地面)
- 深夜電力活用または太陽光発電
そのなかでも、
マンション蓄電池と戸建て家庭用蓄電池の一番の違いは「サイズ」です。
マンション蓄電池は、戸建て家庭用蓄電池に比べるとサイズが小さいです。
置き場が限定されるため、容量もサイズも制限がかかるからですね。
機種によっても異なりますが、蓄電池の大きさが半分以下のタイプもあります。
容量や価格も、マンション用はサイズが小さい分、マンション蓄電池の容量は少なく価格も安いです。
他にもマンション用は室内やベランダにも設置できるほど小さいものがメインに対して、戸建て用はかなり大きなタイプもあります。
戸建ての場合、庭におけるので高さに制限が無い場合が多いためですね。
また、マンション用は深夜電力を活用し蓄電しますが、戸建て用の多くは太陽光発電で得た電力を蓄電することが多いです。
ベランダ用のマンション蓄電池とは?
マンション蓄電池の中には、マンションのベランダ用として開発されたタイプもあります。
ベランダ用の蓄電池の特徴は、パネルも蓄電池も場所を取らないような工夫がされているという事です。
蓄電池も小型化されている為、置き場所に困りません。
重さもそれ程重くないので、何かの上に蓄電池を置けるタイプもあります。
マンションによってはベランダが狭い場合もありますが、大きさも様々なので小型の物を選べば問題ありません。
ベランダ用のソーラーパネルと一体型の蓄電池もあります。
価格や容量などよく比較して選びましょう。
共用部にマンション蓄電池を置けるのか?
マンションにお住まいの方の中には、ベランダや部屋の中ではなく共用部に蓄電池を置きたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
共用部なら自分の部屋やベランダなどを狭くすることもありませんが、ほとんどのマンションでは共用部に私物を置くことを禁止しています。
なぜなら共用部は、部屋の一部ではなく避難経路として使用されることもある為、蓄電池等を置いておくと緊急時に邪魔となる可能性があるからです。
マンションの中では、自転車やベビーカーなどを共用部に置いている人もいます。
このようなものだと重量も軽く、いざというときの移動は容易なので許されていると思われますが、蓄電池は違います。
蓄電池を共用部に置いた場合、近所から苦情が出て移動を余儀なくされる事になるでしょう。
マンションの管理ルールで共用部に私物を置くのを禁止されている場所もありますしね。

マンションの蓄電池にはどんな機種・設備がある?寿命は?
マンション蓄電池にはいったい、どんなものがあるのでしょうか?
- 機種
- メーカー
などを少し調べてみました。
マンション蓄電池の機種
マンション蓄電池には、次のような機種タイプがあります。
- コンセントタイプ
- 壁掛けタイプ
- コンパクトタイプ
- 超寿命タイプ
- 大容量高出力タイプ

それぞれのタイプで大きさも容量も異なります。
例えば、マンションでも単身用など狭い場所ならば、コンパクトタイプや壁掛けタイプがおすすめです。
長く蓄電池を使いたいならば、超寿命タイプを選ぶと良いでしょう。
他にも家族が多いなら、大容量高出力タイプも検討してみてください。
大きさに応じて、価格も高くなる傾向にあるため予算と相談しながら決めましょう。
家庭用の蓄電池を作っているメーカー
マンション用など、家庭用の蓄電池は、次のようなメーカーが作っていますので確認しておきましょう。
- パナソニック
- オムロン
- 伊藤忠
- シャープ
- 京セラ
- ニチコン
それぞれのメーカーでは蓄電池に特徴があります。
高性能なものやコンパクトな物、価格が安めのものなど、メーカーによってかなり差があるようです。
ソーラーパネルと一緒に使うタイプがおすすめのメーカーもありますので、どんな蓄電池があるのかメーカーの公式サイトなども見てみましょう。
大手ネット通販サイトの「楽天市場」「Amazon」でも個人で購入出来る蓄電池がありますが、サポートが無いものもあるのでよく吟味して購入しましょう。
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マンション蓄電池の寿命は?
マンションで使用できる家庭用の蓄電池の寿命はどれくらいでしょうか?
それぞれの蓄電池で使用できる蓄電池の寿命が異なりますが、目安としてメーカー保証を参考にすると良いでしょう。
例えば、シャープの蓄電池はメーカー保証期間が15年です。
パナソニックだと、保証期間が7年~15年になります。
京セラだと10年~15年の蓄電池があり、オムロンや伊藤忠だと10年です。
同じメーカーでも、蓄電池によって保証期間が異なります。
保証期間が切れてしまうと、故障した場合かなり高額の修理費がかかる為、買いなおした方が良い場合もあります。
マンションの蓄電池は保証期間以上に使用できる物も多いですが、目安として寿命は保証と同じくらいだと考えておきましょう。
マンションの蓄電池はどんな仕組み?深夜電力を利用する?
蓄電池を置こう!と考えていても一体どんな仕組みなのかわからないと不安ですよね。
蓄電池の仕組みについて、下記の通りにまとめてみました。
- 蓄電はどうやるの?
- マンションでもソーラーパネルは使える?
- 蓄電池と深夜電力の利用の関係性
マンションの蓄電池はどうやって蓄電するの?
マンションの蓄電池は、太陽光パネルが付いているかどうかで蓄電する方法が異なります。
例えば、太陽光パネルが付いておらず蓄電池単体のコンセントタイプ蓄電池だと、家庭用のコンセントに繋ぐだけの手軽さです。
深夜電力を蓄電するので、電気代は安く充電が終われば昼間でも電気が使用できます。
深夜電力の料金で昼間も電気が使えるというイメージですね。
太陽光パネルが付いているタイプだと、まずパネルで発電した電気をマンションで使用し、余った電気を蓄電池に蓄電するのです。
マンションの蓄電池はソーラーパネルを使えるの?
マンションの蓄電池は、ソーラーパネルと連動したものとそうでないものがあります。
分譲型のマンションならソーラーパネルと連動型蓄電池を設置して使えますが、
賃貸マンションなどではソーラーパネルと連動した蓄電池は使用できない場合もありますので、注意しましょう。
ソーラーパネルと連携できる蓄電池を設置する場合、壁に穴を開けたりの工事が必要になるものが多いため、賃貸マンションでは設置出来ない物が多いですね。
蓄電池単体ならコンパクトなので、賃貸マンションでも問題なく使用できますが、共用部などには置けませんので注意しましょう。
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マンションの蓄電池と深夜電力の利用
マンションの蓄電池は、安い深夜電力を利用して電気を貯めるものが多いです。
昼間の電力に比べると、深夜電力はかなり安くなっているため、深夜電力を昼間に使えると電気料金がお得になります。
ハイブリッド型の蓄電池だと、電気を貯めるだけではなく電気温水器でお湯を深夜電力で沸かせるものもあるので、そちらも一緒に使うと良いでしょう。
深夜電力を蓄電池で有効活用する事により、かなりマンションの電気代を抑える事ができます。
マンション蓄電池の費用はいくらかかる?
マンション蓄電池の費用相場
マンションに蓄電池を設置する為には、次のような費用がかかります。
- 蓄電池の本体価格
- 蓄電池の設置工事費用
- 蓄電池の電気工事費用
蓄電池のタイプによっては工事不要の場合もある為、蓄電池の本体価格だけで良い場合もあります。
ただし、一般的にはマンション用の蓄電池の本体価格相場は、約20万円~120万円程です。
蓄電池の容量や性能、メーカー、購入業者などによって、同じ蓄電池でも価格が異なる場合があります。
簡易的な工事費がいらないタイプなら、約20万円~50万円で購入可能です。
マンション蓄電池の工事費用
マンションの蓄電池は、設置する場所や蓄電池の大きさ、工事内容によって工事費用も異なります。
蓄電池の設置工事が必要な場合、工事費用は5万円~20万円位が多いです。
工事内容によって更に高くなる場合もありますが、余程特殊な場所に蓄電池を付けないなら、これ位が相場と考えて良いです。
同じ内容でも、設置業者によって工事費用がかなり違う事もあるので注意しましょう。
できれば、マンションの蓄電池を設置する場合は工事の見積もりを複数業者から取っておいてください。
工事費用を安く抑える事ができます。
マンション蓄電池の維持管理費用
マンションの蓄電池は、本体を購入して設置すれば費用が掛からないかというと、そうではありません。
途中で故障したり、浸水などで壊れたりする可能性もあります。
メンテナンスや維持管理費用として、年間数万円から10万円程度必要な場合もあります。
ただし、蓄電池メーカーによっては10年~15年保証期間を設けています。
保証範囲内なら修理代金も要らない場合があるので、蓄電池の保証がしっかりしているメーカーから購入してください。
マンション蓄電池の設置工事について
マンション蓄電池は、モノによっては設置工事が必要になります。
工事業者はどのように選べばいいのでしょうか?
- 工事業者を選ぶ方法
- 工事期間
などをこちらにまとめました。
マンション蓄電池の工事業者を選ぶ方法
マンションの蓄電池本体は選んでいるけど、工事業者を選ばなければいけないという場合もあります。
蓄電池の設置工事だけを依頼する場合、業者を選ぶならネットを活用してください。
例えば、地元の電気工事設備会社でも、マンションの蓄電池を設置したことが無いという事もあるでしょう。
ネットなら施工件数などが分かる場合も多いので、経験豊富な業者を選ぶことで失敗を防ぐことができます。
やはり施工実績が多いところに頼むのが安心・安全ですからね。
また、マンションの蓄電池を設置する専門的な業者もネットで探せるので、複数の見積りを比較してから選んだ方が費用も抑えられます。
マンション蓄電池の工事期間
マンションの蓄電池を設置する工事は、蓄電池によっても異なりますが、短い場合だと数時間、長くても2~3日で設置できます。
あまり長い工事期間は必要ありません。
具体的には、蓄電池を設置する工事と電気工事が必要になります。
それぞれ業者が違うと行き違いになる事もあるので、連携している業者や、どちらの工事も出来る業者を選ぶとスムーズに設置工事が行えます。
マンションで蓄電池を使う際の注意点
マンションで蓄電池を使うとなると、近隣の方への騒音等の迷惑が気になりますよね。
こちらにはそういった注意点をまとめておきました。
蓄電池工事前の連絡と近隣挨拶は必須
マンションの蓄電池を設置する場合、コンパクトタイプでコンセントにさすだけ等工事不要の場合、近隣への挨拶は不要です。
ただし、蓄電池設置工事が必要ならば、近隣への挨拶は必ずやっておきましょう。
少なくとも上下階と左右のお部屋の住民へは、設置工事によって騒音や振動などの不快な思いをさせる可能性があります。
また、契約前に蓄電池工事が必要だという事を管理会社や管理組合へ通告しておくことがおすすめです。
後で設置工事によるトラブルを避ける為にも、近隣挨拶は必須になります。
マンション蓄電池工事でクレームが来た場合の対処法
マンションの蓄電池を設置する為の工事では、音や振動などが原因でクレームが入ることもあります。
このような場合に備えて、前もって挨拶をしておくのも重要ですが、クレームが来た場合の対処法も重要です。
まずは、クレーム内容が改善できる物なのかどうか検討してみましょう。
工事時間や工事期間を変更するなどの対策が必要になる事もあります。
クレームがあった時点でマンションの管理会社に確認してみるのも良いでしょう。
トラブルの仲介に入ってもらえる場合もあるので、相談はしてください。
このようなトラブルにも対処できる設置業者を選んでおくと心強いです。
マンション蓄電池の口コミ
東京都:新谷 玲子(36歳・女性)
夏場など1日中クーラーを使用する為、電気代がもの凄く高くて困っていました。
マンションの蓄電池を使うようになって、深夜電力を活用する事で電気代が安くなりました。
ピークの時でも以前より5千円以上安いので、蓄電池を買って良かったです。
愛知県:山岡 静(36歳・女性)
子供達の学習の為にもと思い、太陽光パネルと蓄電池を購入してベランダに設置しました。
コンパクトタイプなので場所も取りませんし、家の一部の電力を太陽光が賄っているという事実が子供たちに刺激となっています。
また、子供たちは夏休みの宿題で太陽発電を題材にしていました。
天気によって電力の発電などが違うというのが面白いようです。
電気代も安くなりましたし、自然エネルギーを有効活用する事で科学に対する子供の興味も広がりました。
熊本県:中村 和夫(45歳・男性)
災害による停電を経験し、電気のありがたさを実感したので、マンションの蓄電池を購入しました。
もし停電になっても、この蓄電池なら4日間は通常の生活ができます。
補助金が出たので、思っていたより安く購入できました。
マンションの蓄電池でも、補助金を活用するとお得に買えます。
マンション用蓄電池まとめ
マンション用の蓄電池は、まだまだ普及していません。
日本のマンション戸数は600万戸以上、居住者は1,500万人以上といわれており、特に都市部では戸建てよりマンションの方が多くなっています。
日本の人口における約1割がマンションで生活している計算になりますが、蓄電池を使用しているという家庭は、戸建ての太陽光発電に比べて圧倒的に少ないです。
蓄電池の便利さや節電が周知されていないという事もありますが、マンションの蓄電池に補助金が出るというのを知らない人も多くいます。
卒FITや災害時の備えのために、家庭用蓄電池を導入したいと考えている方が最近増えてきています。 検討中の方に話を聞くと、一番気になるのが設置費用という人が大半です。 そこで、 どれくらいの価格で取り付ける事ができるのか[…]
自然災害で停電を経験した人の中にはマンションの蓄電池を設置している人も増えており、設置数は右肩上がりです。
これからますますマンションでも蓄電池の需要が増えると見込まれていますので、問題なく設置できるよう、メーカーや価格、容量や工事が必要かどうかを確認しておきましょう。
マンション以外で蓄電池を設置される方へ
マンションだと、設置場所の関係で小型のものしか設置できません。
一戸建てであれば、敷地内に比較的大きな蓄電池を設置することが可能となります。
これから先、太陽光の売電単価が下がってくるということで、「太陽光×蓄電池」は必須となってきます。
ぜひこちらの記事を読んで検討してください。
太陽光発電が普及するにつれ、発電システムをもっと効率的に使用するために蓄電池を設置する家庭が増加しています。 太陽光発電と併用すれば、昼間に発電した電気を夜に使用したり、価格が安い深夜電力を蓄電池に貯めて昼間に使ったりすることができ、[…]