太陽光発電は、つくった電気を自分の家で使って電気代を節約したり、余った電気を電力会社に売って儲けることができるだけのもの、そう思っていませんか?
もちろん、間違いではないのですが、太陽光発電の魅力はそれだけではないのです。太陽光発電は災害時にこそその力を発揮します。
この記事では災害時における太陽光発電のメリットをご紹介したいと思います。
さまざまな家電が使える
太陽光発電システムを使い普段から電気を貯めておけば、災害時に停電してしまったとしてもさまざま家電を使うことができます。
冷蔵庫:食料が確保できる
災害発生時に停電して電気が使えなくなってしまうと、まず困るのが冷蔵庫ではないでしょうか?
常温だとその日に食べきらないといけないような食べ物でも、冷蔵庫に入れておけば腐ってしまう心配をしなくてすみます。
それがひとたび停電してしまうと、中の食品はあっという間に傷んでしまいます。
もし夏場の停電だと、事態はかなり深刻です。
太陽光発電で普段から電気を貯めておくことができれば、常温で日持ちする非常食の備えが仮になくても安心です。
食料確保の問題と冷蔵庫の中身が腐ってしまう問題、どちらの問題も解決できます。
テレビ:情報収集できる
災害時、最新情報は非常に重要です。
災害の規模はどれくらいなのか、二次災害は発生しているのか。
避難するかその場にとどまるか、そのあとの行動が安否を分けるといっても過言ではありませんから、常に最新の情報を得ておきたいものです。
幸い現代は多くの情報をすぐに得ることができますがそれは電気が通っていればの話、電気が止まってしまうとテレビは見れませんし、スマホも充電が切れたらおしまいです。
でも、太陽光発電で電気を貯めておけば、なんの情報も得られない恐怖から逃れられます。
安心して次の行動に移せます。
また、小さいなお子さんがいる家庭では、テレビ番組が見れることでお子さんの不安も少しは解消されるかもしれません。
エアコン:暑さや寒さがしのげる
ダイレクトに命にかかわるのが停電によるエアコンの停止です。
冷房も暖房も必要のない穏やかな季節だったらまだいいですが、真夏の35度を超える猛暑日の日や、氷点下に達するか達しないかのギリギリの真冬の日などにエアコンが止まってしまうと、体温の急激な変化により正常な判断ができなくなる可能性があります。
真夏だったら熱中症、真冬だったら低体温症などの危険もでてきます。
太陽光発電で日常的に電気を貯めておければ、こういった心配なく今後自分がとるべき行動を冷静に判断することができます。
オール電化:普段通りの生活が送れる
オール電化のご家庭は、太陽光発電システムがあることで基本的にはいつも通りの生活が送れるはずです。
ただし、電気を貯めてあるといってもその量は有限ですので、節約して電力を使うようにしましょう。
太陽光発電システムでどれだけの電力をカバーできるの?
次で詳しく説明しますが、太陽光発電で貯めた電気を使う場合は自立運転モードに切り替える必要があります。
自立運転モードで使える電気は最大1,500Wです。1,500Wだと普段と同じようにあれもこれもと家電製品を使うことはできません。
また、貯蓄してある電気は有限ですので被災時はよく考えて使うようにしましょう。
一般的な電気の使用量 | |
冷蔵庫 | 100~300w |
エアコン | 300~3,000w |
スマホの充電 | 5~10w |
ホットカーペット | 500~800w |
液晶テレビ | 300~500w |
温水洗浄便座 | 300~700w |
ノートパソコン | 50~100w |
ドライヤー | 600~1,200w |
停電時の操作の仕方|自立運転モードに切り替える
上で軽く触れましたが、停電時には太陽光発電システムを自立運転モードに切り替えることで、貯めておいた電気を使うことができます。
太陽光発電システムのメーカーによって詳細は異なりますが、大まかな切り替え方を載せておきますので参考にしてくださいね。
- ブレーカーの電源を切る
- 太陽光発電システムを自立運転モードに切り替える
- 専用コンセント(屋外にあることも)に使いたい家電を繋ぐ
太陽光発電システムだけでなく蓄電池があるとなおよし
災害時、停電したときに電気を使いたい場合は、普段から電気を貯めておく必要があることすでにお話ししました。
電気を売る目的で太陽光発電をしている方はもしかしたら太陽光発電システムのみの導入かもしれませんが、貯める・使用する場合は蓄電池も導入するとなおよいです。
蓄電池はもともと停電などの非常時の予備電源として、産業用に使われていたものでした。
大容量の電気を貯めこむことはできないので日常的には使用できませんが、非常時にはとても役に立ちます。
ですから、普段から太陽光発電システムで電気をつくり蓄電池に貯め、余った分を電力会社に売る、という仕組みにしておけば災害時にも安心なのです。
住宅用太陽光発電と産業用太陽光発電の違い
太陽光発電システムには住宅用太陽光発電と産業用太陽光発電と種類があります。
これらは出力規模や買い取り方式、買取価格などが違います。導入に適しているのはどちらなのでしょうか?
住宅用:余った電力を売る→節約&非常時に備える
住宅用太陽光発電は、「電気をつくり自分の家で使う、余った電気は売ってお金にする」という考えの方におすすめです。
出力規模は産業用よりも小さいですが、初期費用も産業用より抑えられます。
買取価格も産業用のほうが高額なので「電気を売る」のがメインというより、「自分の家で消費して電気代を節約し、貯めた分は非常時に備える」と考えるといいでしょう。
産業用:全部売却→投資向け
一方の産業用太陽光発電は、「つくった分の電気をすべて売却しお金を得る」という考える方におすすめです。
住宅用よりも出力規模が大きく買取価格も高額ですが、初期費用もかかるのでどんどん費用回収に取り組むべきです。
住宅用と同じように余剰買取(余った分だけ売る)も選べます。
どっちを選べばいいの?
住宅用太陽光発電と産業用太陽光発電、結局どちらがいいのか?ですが、それぞれ述べたように、「つくった電気を自分で使うのか売るのか」その比重で決めるといいでしょう。
災害時に気をつけたいこと|二次被害を起こさないために!
災害時、停電したときに活躍してくれる太陽光発電システムですが、気を付けなければならないこともあります。
災害時の被害状況によっては二次被害が発生してしまうこともあります。
それはソーラーパネル自体の損傷です。
例えば地震が発生して家屋が倒壊してしまうと、ソーラーパネル自体も損傷してしまう可能性があります。
そうなると、停電してしまっても普段から貯めていた電気が使えません。
台風の場合は、ソーラーパネルごと強風で飛ばされてしまう可能性もあります。
そうなると電気が使えなくて自分たちが困るというだけではなく、そのパネルがほかの建物や人に直撃してしまうと大惨事となってしまいます。
そんなことが起こらないように、日頃から定期的に不具合がないかチェックしておくなど十分な災害対策を施しておきましょう。
災害時に気をつけたいこと【災害別】
災害時に活躍してくれる太陽光発電システムですが、日頃から気をつけておかないと二次被害を産んでしまう可能性があるのはおわかりいただけたでしょうか?
ここでは災害別に気をつけたいことを見ていきたいと思います。
落雷
落雷時、ソーラーパネルに雷が直撃するかもしれないという不安があるかもしれませんが、ソーラーパネルは絶縁材料でつくられているので直撃の心配はありません。
しかし近隣に雷が落ちた場合は、落雷の衝撃で電流が誘発されてしまいその結果ソーラーパネルが損傷してしまうことがあります。
ソーラーパネルの周辺には落雷しそうなもの、金属の尖ったものなどを置くのはやめましょう。
積雪
ソーラーパネルは雪が積もっても基本的には壊れません。
しかし耐えられるのは積雪50cmほどまでなので、定期的に雪下ろしはするようにしましょう。
台風
ソーラーパネルは風速60mまで耐えられるように設計されています。
たいていの風には耐えられますが、台風がくる前は念のためパネルに異常がないか確認しておきましょう。
地震
ソーラーパネルは1平方メートルあたり、12kg前後の重さがあるといわれています。
ある程度の重さがあるので家屋の耐震性に多少の影響を与える可能性がありますが、瓦屋根よりも軽く、屋根が崩壊しない限りは地震で壊れてしまうことはないといえるでしょう。
まとめ|災害時に太陽光発電システムはメリットがある
太陽光発電の売電による収益以外の「災害時に重宝する」というメリットについてお伝えしました。
災害の規模によっては、二次被害を発生させてしまうかもしれないというデメリットもありますが、普段からしっかりと不具合がないかどうかチェックしておけば、この危険性はぐっと減らすことができます。
太陽光発電を導入しようか悩んでいる方は、災害時におけるメリットもあわせて検討してみてくださいね。