太陽光発電は、自然の力を利用したエコな電力として注目を集めています。
とはいえ、「興味はあるけど、パネルの代金や設置費用など太陽光発電っていくらかかるの?」と悩んでしまう人も少なくないのではないでしょうか。
太陽光発電にかかる費用は分かりにくいですよね。
ここでは太陽光発電にかかる費用をお伝えします。
太陽光発電に必要なもの
まず太陽光発電を導入するのに必要なものが3つあります。
1.ソーラーパネル(太陽電池パネル)
屋根の上などに乗せる発電用のパネルです。
太陽からのエネルギーから電気を発生させる小さな太陽電池が何個も集められてアルミなどの枠に入れられパネル状になっています。
2.パワーコンディショナー
家庭の電化製品を使用するために電流を変換するための装置(インバーター)です。
太陽光で発電した電流は「直流」ですが、家庭用の電化製品を使用するには「交流」に変換する必要があります。
3.接続箱
ソーラーパネルで発電した電気をパワーコンディショナーに送り込むための装置です。
パワーコンディショナーと一体になった商品もあります。
この3つは太陽光発電を行うために最低限必要なもので、電力を蓄えておくことはできません。
天気が悪い日や非常時に電力を貯めておきたいと考えている人は蓄電池が必要です。
ソーラーパネルの価格は?
ソーラーパネルはメーカーによって大きさや性能が異なり、1枚当りの値段を比較することのはできません。
パネルは一見どれも同じように見えますよね。
しかし、実はパネルに使用される素材の違いによって性能や価格が異なるため、一概に比較することが難しいのです。
例えば、一般的なパネルに使用されるシリコンですが、単結晶シリコンで作られた製品と多結晶シリコン製品の2種類があります。
多結晶シリコンの方が安価ですが、単結晶シリコンは価格が高い分発電量が多いです。
そのほかにも、化合物系の素材でできたCIS太陽電池という素材もあるので、太陽光パネルを選ぶときはあなたの家に合ったパネルをよく比較してみてくださいね。
ソーラーパネルの発電量1kw当りの価格を比較してみました。
メーカー | 価格/kw |
カナディアンソーラー | 290,000円 |
京セラ | 340,000円 |
シャープ | 350,000円 |
ソーラーフロンティア | 290.000円 |
東芝 | 350,000円 |
トリナソーラー | 290,000円 |
長州産業 | 330,000円 |
パナソニック | 330,000円 |
ハンファQセルズ | 290,000円 |
三菱電機 | 320,000円 |
「価格が少し高くても、長く使用できるのであれば構わない」と考える方もいることでしょう。
しかし、ソーラーパネルの耐用年数については実験段階にあるため、まだはっきりしたことが分かっていません。
また、同じメーカーでも単結晶パネルと多結晶パネルの両方を販売していることがあるので、気になる方はメーカーに問い合わせてみるとよいでしょう。
パワーコンディショナーの価格
パワーコンディショナーの価格も屋内専用か屋外・屋内兼用なのか、対応発電量の違いによって価格が推移します。
通常の家庭用であれば、1台100,000円〜200,000円くらいです。
接続箱の価格
接続箱単体の場合、50,000円〜60.000円。
パワーコンディショナーと一体型の場合350,000円〜470,000円。
蓄電池の価格
蓄電可能な容量によって価格が推移します。
900,000円〜2,000,000円位です。
また、パネル設置の工事費・諸経費などがかかります。
経済産業省が、2020年の太陽光発電の相場価格を発表しました。
それによると、設置容量5kwで設置費用の相場は145万円です。
太陽光発電に必要な機器類も、どこでどのように購入するかによって値段が違ってきます。
ほとんどの方は業者に見積を依頼すると思うのですが、同じものでも業者によっても価格が異なっていることがあります。
また、個人的にネットで購入できる知識を持ち合わせている方は個人的にネットなどで購入するとかなり割安に購入可能です。
太陽光発電システムの設置工事費
設置にかかる工事費用は、屋根の構造や強度、工事を請け負う業者によって価格が異なります。
一般的には、太陽光発電の設置工事に必要な経費は、ソーラーパネルを設置するための、設置架台、架台工事費、ソーラーパネル設置工事費、電気配線工事費です。
しかし、ソーラーパネルを後乗せで検討されている方は注意が必要です。
お住いの屋根がソーラーパネルを設置するだけの十分な強度がないと、設置することができません。
そのため、屋根の強度を高めるための工事が必要になる場合があります。
それでは実際にソーラーパネル20枚を屋根に設置した場合の設置工事費の例をご紹介します。
工事内容 | 費用 |
設置架台 | 115,000円 |
架台工事費 | 80,000円 |
太陽光パネル設置費 | 155.000円 |
電気配線工事費 | 100.000円 |
合計 | 310,500円 |
自治体の補助金を活用しよう
国による補助金(固定買取制度)は平成25年になくなってしまいました。
「タイミングを逃してしまった」と悔しい思いをされている方も少なくないのですが、実はそうでもないようです。
太陽光発電の普及とともに、太陽光発電にかかる初期費用は年々安くなっています。
20年前と比べると、4分の1以下に値下がりしています。
国からの補助金はなくなりましたが、自治体の補助金は存続しています。
その内容は自治体によって異なります。
例えば、東京都は個人に対しての補助金はありませんが、電力販売、リースなどで住宅所有者の太陽光発電システムの初期費用を無料にしている事業者に対して補助金が支払われる制度があります。
一方宮城県は個人が補助金を申請することができます。
1件当り太陽光発電のシステムに4万円、蓄電池に8万円の補助金を申請することが可能です。
ぜひあなたも、お住まいの自治体の支援制度を確認してみてくださいね。
太陽光システムのメンテナンス費用
高いお金を出して太陽光発電のシステムを設置して、数年ごとにまた高額なメンテナンス費用がかかってしまわないか心配になると思います。
太陽光発電のシステムの定期点検は4年に1回以上とされており、1回当りの点検費用は2万円ほどです。
ソーラーパネルやパワーコンディショナーの寿命も気になりますよね。
ソーラーパネルはここ数十年で飛躍的に開発、普及が進んだため、はっきりとしたデータが得られていないようです。
国が定める法定耐用年数は17年ですが、各メーカーは耐用年数40年を目指しているとのことです。
パワーコンディショナーの交換の目安は20年とされています。
まとめ
太陽光発電システムにかかる初期費用をみてきましたが、いかがでしたでしょうか。
パネルによる発電量などの強みや設置業者の選定など、事前に調べることが何かと多い太陽光発電ですが、知らぬが損をします。
中には悪質な業者もいるようなので注意が必要です。
ぜひ、見積もりを依頼するときは複数の業者から話を聞いたり、ネットで調べたりして知識を深めてくださいね。
また、お住いの自治体によって補助金の制度が異なり、補助金に期限や予算の上限額に達した時点で締め切っている自治体もあります。
一度お住まいの自治体のホームページなどで確認してみてることをおすすめします。
太陽光発電は初期費用はかかりますが、売電することで初期費用を回収できるといわれています。
納得のいく商品や業者をみつけることができるとよいですね。